呼吸が止まる!? 〜いびきと疾患
「いびき」は寝息とは違う、病的な状態であることをご存じでしょうか?
いびきというと一般的には男性のイメージですが、
女性も更年期を過ぎたあたりからいびきをかく人が増えます。
■睡眠時に呼吸が止まる。恐ろしい疾患
こんな場面に遭遇したことはないでしょうか?
ガアガアといびきをかいていた人の呼吸が急にすっと止まる。
周りにいた人はどうしたんだろうと、いびきの主をのぞき込む。
すると「フーッ」と呼吸が再開する。こうした状況が一晩に何回も繰り返される…。
いびきと密接に関係のある代表的な疾患に『睡眠時無呼吸症候群』があります。
前述した状況は、まさにこの疾患なのです。
つまり睡眠時無呼吸症候群とはその名の通り、"眠っている最中に呼吸が停止する事によって
様々な疾患を引き起こす"とても恐ろしい病気なのです。
『習慣性のいびきがある。』『昼間に異常に強い眠気を感じる。』
『睡眠時間を十分とっているはずなのに、どうも朝疲れがとれていない。』
という方は、もしかしたら睡眠時無呼吸症候群かもしれません。
■睡眠時無呼吸症候群のメカニズム
呼吸とは、空気中の酸素を体内に取り込み、体細胞内に送り届け、細胞内で産生された
二酸化炭素を外気に排出することを言います。
換気とは吸気と呼気を繰り返し外気と肺の空気の交換を行うことで、
換気が低下すると肺胞内及び血液中の酸素は減少し、二酸化炭素が蓄積されます。
そして血液中の二酸化炭素が増え、血液pHが下がるのです。
-------
眠る
↓
睡眠時無呼吸・低換気
↓
肺胞ガス交換障害
↓
低酸素血症
↓
覚醒
↓
換気再開
-------
これらが起こることにより、不正脈や、内分泌・脂質代謝異常を起こします。
睡眠時無呼吸症候群の患者は一般人口に比して高血圧症が2倍・狭心症が3倍・心筋梗塞や脳梗塞などが
4倍の有病率であるという報告もあります。(Weke Up America:A National Sleep Alert)
■睡眠時無呼吸症候群と歯科医療との関わり
さて、これまで書いてきたことは一見、歯科とは関わりが薄いと思われるしれません。
しかし、オーダーメイドのマウスピースによって、睡眠時の下顎の位置を変えたり、
あるいは口腔内容積を広くとることで、睡眠時無呼吸症候群に対応できる場合もあります。
つまり、歯科とも密接に関わりがあるといえます。
- 2018.11.20 Tuesday
- 歯と健康
- 21:00
- comments(0)
- trackbacks(0)
- -
- -
- by shigenodental