補綴装置- かぶせる歯はどんな物がよい? -

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     患者さんのかぶせ物に対する関心について

    「保険外または保険内の範囲で製作されるものがよいのか?」

    「保険外と保険内、この2つは何がどう違うのか?」 

    このあたりに興味が集中するようです。

     

    保険外と保険内。費用や使える材料は当然違います。

    しかし、完成まで有する手間暇が格段に異なり、全くといっていいほど違います。

     

     

    ■重要な考え方「そこにあるべき姿を再現する」

     

    口腔内において修復治療が必要になった際に重要なことがあります。

    世界的に著名な歯科技工士で、ワシントン大学歯学部名誉教授の桑田先生のお言葉を拝借すれば「そこにあるべき姿を再現する」につきます。

     この簡潔な言葉を具現化するには、一人の患者さんの修復治療に際して歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士、デンタルコーディネーター等の密接な関係性(インターディシプリナリー)が非常に重要であり、各々が天然歯を深く理解していないと修復治療は達成できません。

     

    ★歯科医師は

    「そこにあるべき姿を再現する」ために必要十分な支台歯形成を行わなければいけません。どのように対合歯と咬合させるかや、特に歯肉と関係する、エマージェンスプロファイルの形態を考慮することは、予防の観点からも重要です。プロビジョナルフェーズを経て最終印象へと入るわけです。

     

    ★歯科衛生士は

    「そこにあるべき姿を再現する」ために歯周組織の炎症をコントロールし、支台歯形成・プロビジョナルクラウン装着までに歯周組織環境を整えます。また「そこにあるべき姿に再現された」補綴装置にトラブルが起きないようにメインテナンスで十分に管理することが必要です。

     

    ★歯科技工士は

    「そこにあるべき姿を再現する」ために、ただ天然歯を模倣するのではなく、機能性をともなった咬合面形態・歯冠形態あるいはプラークが停滞しない、かつ審美性がともなった補綴装置を完成させます。

     

     

     つまり『手間隙かける』このインターディシプリナリーがとても重要なのです。

     

     

     今年から「桑田正博先生に教わる 天然歯形態のとらえ方」という題のもと新連載が歯科技工(医歯薬出版)で始まりました。しっかりと学ばせていただきたいと思います。

    またこの機会にもう一度咬合に関しても勉強させていただこうと思います。

     


    お口の変化を視て、患者さんを理解する〜口腔内写真の世界

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      「写真を頻繁に、たくさん撮られる」

       

      当医院では、そんな印象を持たれる患者さんが少なからずいらっしゃいます。

      しかし、それは絶対に必要なことなのです。

       

      予防診療や治療を受け持つ歯科衛生士にとって、患部を正しく視る力は最低限必要な能力です。

      しかも、それだけでは不足。

       

      ●「経過を視る」こと

      ● 患者さんの状態を「理解する」こと

       

      患部だけでなく患者さんへの理解に至るまで、二つのことを大切にしています。

       

      患者さんはロボットではありません。以前できていたケアが今回は足りない、前回は問題なかった部位が今回悪化している…、常に変化するのは自然なことです。

      あるとき改善したから今後も大丈夫、とはいきませんよね。

       

      どこがどのように変化したのか。正確に把握することは、治療はもちろん患者さんへの深い理解につながるのです。

       

      もうひとつ、とても大切なことがあります。

       

      ● 正しく撮影すること

       

      写真資料は、口腔内の状態を正確に把握できるものでなくてはなりません。

      それは思うほど簡単ではないのです。

      自然な光のもと口腔内を再現できないと、診査・診断には到底使えません。

      ただ撮るだけは論外。写真家のような印象的な写真でもだめ。高度に特殊な技術なのです。

       

      当医院では口腔内撮影カメラを常に検討し続け、いまではもう何台目かわかりません。

       

       

      患者さんに寄りそう歯科衛生士。それは精神論だけでなることはできません。

      正しく撮影ができること。丁寧に診査資料を重ねて読み解いていけること。

       

      そこではじめて、本当の意味で寄り添えているといえるのです。

       


      キュレッタージについて 道具でわかる仕事の視野

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        「キュレッタージ」

         スケーリング、ルートプレーニングの総称です。
        理想的な歯科治療を進めるための基礎づくりであり、歯科衛生士の重要な仕事のひとつです。

         ところで、キュレッタージの道具であるキュレット。この小さな歯科道具が、それを使う歯科衛生士が、どんな視野を持ち、何を重んじて仕事をしているか、そんなことを、本人よりも雄弁に語るのをご存じでしょうか。

         見るべきポイントはごくシンプルです。キュレットの刃が"常に切れる状態になっているか否か"。

         切れないキュレットを使用すると、余計な力をかけてしまい、セメント質を余分に削り取ることにつながる可能性もあります。つまり露出歯根面の汚染されているとされる30μmセメント質の厚みを選択的に除去出来ません。
        歯根面の汚染を除去できないと、歯周治療を成功に導くことは出来ません。

         「私は患者さんの口腔内を良い状態に改善し、治療の成功を左右する重要な仕事をしている。」
        そう考えるならば、切れないキュレットを用いること自体がありえません。

         道具、つまりキュレットは、私達の仕事を映す鏡と言えるのです。
        歯周治療の目的を『私の仕事』と思っている歯科衛生士は、道具の状態がいやでも気になるものです。
         

        水の安全で知った、歯科診療環境における視点の重要性

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           当医院にはさまざまな歯科材料や設備の最新情報が集まってきます。
           
          その中で「これはとてもいい!!」と感じるのものは、残念ながらそう多くはないと院長は漏らします。
          しかし、先日かねてから当院の院長が考えていたことと、新しい機材を開発した業者との思惑が一致してしまったのです。
           

          診療施設の水の安全はとても重要です。

          水の流れるところには必ず細菌のバイオフィルムが形成されます。
          水道管の中も、診療チェアユニット内の注水管も同じ事が言え、
          診療ユニットのシリンジから水を出して細菌検査をすると、あまりの細菌の多さに驚きます。
          そのため歯科用ユニット内の注水管の洗浄を業者に依頼しても、また数ヶ月で元の状態に戻り、細菌数は増えてしまうのです。

          "身体に問題ないレベルでもやはり、細菌は検出されない事が望ましい。"

          そこで当院の院長は考えました。

          「では、水を替えてはどうか?


          こうした経緯で、給水設備を全て「殺菌機能水」に替えました。
          すると、細菌の検出レベルが限りなくゼロに近づけられたのです。
           
          トイレ、手洗い、歯科用ユニット…水の出るところはすべて殺菌機能水が巡っている状態に!もちろん飲用も可。

          つまり当院内はいま、"全て清潔で安全な水が巡っている"ということです。


           
          やっと解放されたのです、雑菌から。
           
          問題の解決の視点を変えて手に入れた清潔な環境。
          給水設備にフィルタをつけたり、さまざまな取り組みをしてきましたが、最後この現状にいきついたのです。


          医療の新製品には慎重になるべきだと当院の院長は常々いいます。
           
          精緻な基礎研究と臨床の場での精査があった上で、はじめて製品を評価することができます。
          当院でも約3年という長いテスト期間を経て、採用するに至ってます。

          根本から見直す視点も大切なのですね。

          生物学的幅径 数値を超えて

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             以前、生物学的幅径に触れました。

             私達歯科衛生士がふだん行うスケーリングも、口腔内の構造が頭に入っていることが重要であり、医院の診療レベル向上に欠かせないという話でした。

            「患者さんの歯肉の炎症がなかなかとれない...」
            「それほど深くない歯周ポケットが排膿している...」

             これらは、歯冠修復物が生物学的幅径を侵襲していてもみられる臨床所見です。
            こういうケースの治療は、歯周外科をドクターに依頼し、生物学的幅径を改善した後、修復物をやり変えてもらわなければなりません。
            いくら歯科衛生士がキュレッタージを繰り返しても、患者さんがブラッシングを頑張っても、改善できません。

            わたしたちが生物学的幅径を知っていることの重要性はここにあります。

            1本、1本の歯のことだけではなく、患者さんの口腔内の安定と健康を取り戻す心構えを、
            何よりも考えておきたいものです。
            それは、まずは正確な知識から。

            今回は生物学的幅径に関してもう少しお話したいと思います。

            ・あくまでも基準である。
            歯間部歯肉溝の正常な深さは3mm未満、唇、頰側、及び舌側歯肉溝の深さは1〜 2mm前後 。
            ここで重要なのは、数値だけを見て厳格な治療を行うべきではないということです。数字に振り回されないこと!!!
            理想的な治療を行うには、現状把握、正しい評価が何よりも重要ですね。

            わたしたちは、ふだんの生活でも常に判断をし評価を行っています。
            この品物は安いのか?品質がよいのか?…。そのとき、欠かせないのが「目安」ですよね?照らし合わせる尺度があるから、安心して判断できる。

            ・数値を知るだけで終わりにしない。
            炎症のない歯肉を理解してはじめて、炎症のある歯肉がみわけられます。
            良いものをしっかり見なければ悪いものがわからない。骨董の世界と同じです。
            正常歯周組織を理解してはじめて、プロービングを行い歯周組織の破壊度を知ることが出来るのです。


             





            『咬合』を考える 〜前歯と臼歯の咬合状態〜

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                歯周病と虫歯。患者さんが大きく関心を寄せる2つです。広告など普段目にする機会が多いせいもあるのでしょう。

              かたや、患者さんにはいまひとつ理解が進んでなくとも、歯科治療を行う医院側で関心が高いことの1つが「咬合」です。

              さて、咬合と言われてすぐ浮かぶのは、ブラキシズムやクレンチングではないでしょうか。口腔内をみれば把握しやすいのでそう答える歯科衛生士さんも少なくないと思います。

              しかし、一歩先をゆく歯科衛生士さんなら、さらに目を配りたいことがあります。前歯と臼歯の咬合状態です。

               咬合力のコントロールが歯周病の予防や治癒には欠かせない要因であることはご存じの通りです。

               そこで考えたいことが、アンテリアガイダンスとバーティカルディメンジョンの関係です。

               前歯と臼歯はそれぞれ異なった機能を持ち合わせています。同時にお互いがお互いを支え合っている関係性に有ります。その一例として前歯のかみ合わせに問題が有ると、臼歯部に咬合痛や知覚過敏、ひいては骨吸収等を招来します。
               臼歯部のかみあわせに問題があると、上顎前歯が下顎前歯につきあげられ、前方にフレアーアウトし、歯の移動を引き起こします。

               咬合の問題は歯周組織や歯、顎関節にも影響を及ぼします。
              ブラキシズムやクレンチングのほかにも前歯と臼歯の咬合状態にも目を配りたいですね。





              歯周病およびカリエス発生のリスク判定(その1)

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                 口腔内を良い状態で保つうえで「リスクファクター」を考慮することは
                もはや当たり前になりました。

                 大きな「リスクファクター」として、
                歯周病発生のリスクとカリエス発生のリスクがあげられます。

                しかし、この2つは簡単な検査で知ることができます。



                 『私は甘いものが大好きだから虫歯になっちゃうのよね〜。』
                 『両親も歯が弱くって虫歯が多くって…私も生まれつき歯が弱いから虫歯が多くって・・』

                このような患者さんの言葉を聞くことがあると思います。その際、

                 「ショ糖の摂取が多いだろうから、カリエスリスクは高いであろう」
                あるいは、「口腔内細菌が多いだろうから、カリエスリスクは高いだろう」

                こうしたことは想定できても、問診だけでは科学的根拠があるとはいえません。

                私達が常に念頭に置かなければならないこと
                 それは‥

                 『診断は前提条件-(先入観)に基づいて行ってはならない


                ならばどうするか。
                科学的診査により証拠を提示する。つまり、リスク検査の必要性です。

                 医科に行けば先ず血液検査をする。
                それと同じように歯科においてリスク検査は治療やメインテナンスの
                正しい方向や在り方を左右するとも言える大切な検査なのです。



                そこにあるべき姿を再現する〜インプラント(その3)

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                   『インプラントは何でできているのですか?』
                   『インプラントはどうやって顎の骨につくのですか?』
                   最近の患者さんからの質問は以前とは少し違ってきています。
                  それだけインプラント治療が世間に浸透し、患者さんも様々な情報を得てより深くインプラント治療について知りたいと思っているのではないでしょうか?

                   インプラントといっても、現在様々な種類のインプラントが世界中で販売されています。
                  インプラントの素材や表面性状、インプラントの形状、インプラントの直径、インプラント体と上部構造の接続形態などなど・・・

                   当院では患者さんの欠損部位の顎の骨の状態や最終修復物の状態を考慮し患者さんに応じたインプラントを選択しています。
                   
                   さらにインプラントを長く保たせるために必要な要素も、エビデンスが確立されています。
                  当院では、インプラントをただ埋入するだけの処置にとどまることは無く、長期メインテナンス症例から得たエビデンスをもとに、軟組織処置や、確実な骨造成などを行っています。

                   30年前はインプラントメーカーは世界的にも数社でしたが、今では数え切れない数になっています。選択の幅が格段に広がっているのです。しかし、当院では、必ず学会誌や歯科雑誌に論文が多数掲載され、20年以上の経過症例を持つインプラントしか使いません。
                   
                   なぜその材料を使うのか、どうしてそのケアが必要なのか、確信をもって説明出来なければなりません。

                  基本的なことをしっかり勉強して、ぶれない軸を持つことがますます求められていると思います。






                  そこにあるべき姿を再現する〜インプラント(その2)

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                      天然歯とインプラントを取り巻く環境には、圧倒的な違いがあります。それはなんでしょう?

                     
                     天然歯は結合組織性付着、及び上皮性付着を持ちます。
                    細菌は歯肉溝から侵入し、上皮性付着を破壊しさらに、結合組織性付着を壊そうとします。
                    いいかえるとこれら二つの付着によって、身体は細菌の侵入に抵抗しようとします。

                     インプラントには大事な細菌に抵抗する、
                    結合組織性の付着がありません。
                    つまり細菌の侵入に対して弱いのです。

                     いつも当ブログで触れていることですが、歯科衛生士としてメインテナンスを行う際、どうしても手技業務に目がいきがちです。もちろん、大切なことに変わりありません。

                    しかし、日々の診療で、口腔内にわずかな差異を見つけ出す視点、『変化』を捉える目の重要性こそが、歯科衛生士、歯科医のレベルを大きく左右します。


                    修復物を製作するうえで大切なことは、そこにあるべき姿を再現すること...

                    愛歯校長の桑田正博先生から教えられた言葉です。


                     一見言葉はやさしいのですが、何もない場所に"あるべき姿"を見る、という大変難易度の高いことを指摘されています。この視線、視点こそがインプラントのメインテナンスに欠かせない 「プロフェッショナルな目」であり、尊さなのです。長年の学習と臨床キャリアを重ねないと、なかなか身につくものではありません。


                     当院での院長のインプラント治療の実績は30年以上です。しかし、この実績は、歯科医師と歯科衛生士、インプラント治療を受けた患者さんの3者によって重ねられてきたものです。

                    ☆いかに患者さんがメインテナンスしやすい歯周環境につくりあげているか?

                    ☆インプラントと天然歯の歯周環境の違いを理解し、メインテナンスの手法を熟知しているか?

                    ☆患者さんがいかに定期的に医院にメインテナンスで来院していただけるか?


                    先日のブログでも触れましたが、患者さんに聞かれることが多い

                    『インプラントはどのくらいもちますか?』

                    という質問。さて、どう答えましょうか?






                    生体は、明日どうなるかは誰にもわかりません。これが私たちの解答です。

                     人工のものを口腔内で長く持たせるには、医院サイドの努力だけではなく患者さんが医院にメインテナンスで通っていただくことの重要性を忘れてはいけません。



                    そこにあるべき姿を再現する〜インプラント

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                       歯科衛生士として仕事をしていれば、患者さんにこう聞かれることはありませんか?

                      『インプラントはどのくらいもちますか?』

                      高額な治療費と長い通院期間をかけるわけです。まっとうな疑問です。正確な答えを出してあげたい。そう思うでしょう。

                      しかし、キャリアを積めば積むほど、この質問には、簡単に答えられないことがわかってきます。毎日機能する口腔内のインプラントの寿命は、環境により大きく変化するからです。


                       当院の歯科衛生士や、ドクターはこう答えています。


                      インプラントは人工物です。人工物で永遠に変わらないものは、残念ながらこの世にありません。また生体はもっと変化します。明日の自分がどんな状態か?正確に答えられる人はまずいません。しかし、出来るだけ長持ちさせることは出来ます。

                      それは、患者さんと当医院が一緒になって、「メインテナンス」を行う。

                      一緒に長持ちさせる努力です。

                      わたしたちは臨床は日々勉強と捉え、『長持ちのためのメインテナンス」に取り組んでいるのです。





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