「歯がぐらぐらしているが、この歯を大事に守っていこうとメンテナンスを受けている。」
「しっかり咬めず、あちこち歯茎が腫れるが、毎月歯科医院に通っている。」
これらは予防歯科だ、というイメージを持たれるかもしれません。
しかし、当院が考える予防歯科とは全く違います。
●「予防歯科」の本当の意味
お口の中の2大疾患は虫歯と歯周病です。
虫歯と歯周病の発生を止める、再発を防止すること。それが予防です。
治療した歯周病の再発を防ぐ。治した歯の虫歯の再発を防ぐ。かぶせた歯がトラブルなくお口の中で維持される。
治療する歯がない患者さんも、今後トラブルが起きないようにお口の中を管理していく。
これらを目標にプロフェッショナルによるケアで予防を提供しています。
不健康な状態のまま、さらに悪化させないようにすること等とは異なり、
よりよい健康を維持できてこそ"予防歯科"といえるのです。
予防処置の前に、歯周病であれば先ず歯周治療が必要になりますし、虫歯治療も行います。
虫歯も歯周病も生活習慣病と言えますから、患者さんの生活習慣を少し見直してもらう必要もあります。
お口の健康な状態を維持していくために、歯科医院では患者さんが日常、自宅でお口の中のお掃除できない(セルフケアができない)部分に対し専門的なケア(プロフェッショナルケア)を行いメインテナンスプログラムに入って行きます。つまり予防のプロセスに入るのです。
●患者さんの状況にあわせた。予防歯科は本来オーダーメイドです。
患者さんのお口の中はそれぞれ違います。インプラントを入れている方、可撤性義歯を入れている方、プラスティックの詰め物をしている方、セラミックや金属製の歯を入れている方などなど。
患者さんの生活習慣も違います。子育てや仕事で忙しくお口の中がしっかり磨けない方、糖尿病や高血圧など様々な疾患がある方、甘い物が好きでよくおやつを食べる方などなど。
生活習慣も違えば、生活環境もそれぞれ全く違うのです。
というわけで、患者さん個人個人で予防プログラムが違います。
予防処置に掛かる時間はお口の中の環境によって違うため必要な時間は様々です。
実際に行う予防処置の一例を流れでご説明挙します。
【1】前回と来院時の口腔内の変化を確認します。(お口の中のレントゲン、口腔内写真歯周診査等を記録しお口の中の変化を察知します)
【2】全ての歯の周りを手作業で特殊なインスツルメントを用い、歯の周りについてしまった汚れを1本1本落としていきます。(天然歯は超音波インスツルメント等でクリーニングをする場合もありますが、セラミックが口の中にある場合はセラミックに傷がついてしまうため超音波インスツルメントが使えません。)
【3】患者さんに適したフロス・歯間ブラシ・歯ブラシを用いて、歯の間と歯の表面をきれいにしていきます。
【4】その患者さんに適した歯磨用ペーストを用い、チップで歯の表面に汚れがつきにくいように磨いていきます。
【5】虫歯予防や知覚過敏予防のために歯にコーティングを行います。
【6】お口の中をクリーニングしていて、術者が問題と感じた部分や磨き残しのある部分を患者さんにお伝えして、さらなる口腔内の清掃を強化します。
毎日使う物だから、お手入れも大切。どこかのCMでも聞いたことがあるようなフレーズです。
お口は食事をとり、飲み物を飲む、会話をし、時には笑う。さまざまな役割を担っているのです。