百年の歴史〜Academy of Prosthodontics

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     今年で100年目という歴史ある歯科学会が先日シカゴで開催された。

    Academy of Prosthodontics」アメリカで最も歴史が長い歯科学会である。

     

     光栄なことに、尊敬する桑田正博先生とご一緒させていただくことができた。それだけでも筆者にとっては嬉しいことであるが、学会はWilson. Snow. Gysi. Mann‥など論文でよくみた名前の先生方が構成メンバーという権威ある学会なのだ。

     

     学会は1918年からのこれまでの歴史を振り返ることから始まり、歯科治療における大切な根底にある物は失わず、新しい技術を応用し、さらに臨床のレベルを上げていくことの大切さがわかる症例へと続く。見応えが有り勉強になる症例ばかりだ。

     トピックはやはりデジタルデンティストリー。CAD/CAMそして3Dプリンターの様々な応用例が示されていた。

     

     当院でも使用しているが、「3shape trios」は口腔内をスキャンすることにより、高精度で高速に光学印象採得が可能となる。安全安心なインプラント設計には今では欠かせないアイテムとなっている。通常は患者さんの口腔内の印象を採得し、模型におこす。この手間がないだけでも精度が格段に上がるのだ。つまりインプラントの位置決めの誤差も格段に少なくなる。今後のますますの技術革新が楽しみな時期に来ていると痛感する今日この頃である。

     

     

     

     


    バチカンで考えた、ローマの休日

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      今回のESAO(ヨーロッパ人工臓器学会)の開催地はローマでした。(9月開催)
      学会発表での
      院長のテーマは「末梢神経再生の速度を上げ再生痛を減少させる方法について」
      副院長のテーマは
      「イヌ前頭洞の骨再生」 今回は足場材料を弱変性コラーゲンとOCPのコンポジットを用いた発表です。人の上顎洞に骨を容易に再生するという研究です。



       さて、学会の隙間時間を使いバチカンを観光したときの話です。
      地下鉄でバチカンまで移動し、入場口まで行く道中、道端のゴミの散乱の凄さをちょっと残念に感じました。
      観光地、なおかつバチカン市国の周囲はきれいであってほしいと心のどこかで思っていたこともあるでしょう。
      非常に残念に思いました。
        私はとても残念だったにも関わらず、イギリス人のドクターはきれいだと思っていたそうです。

       人はこうあって欲しいと、何かに対面するまでちょっとした思いや願いがあるものです。
      ある事象に対面した時、その期待値が想像以上でしたら喜ぶでしょうし、その反対の場合の落胆も然り。

       しかし、審美観はその人が育った環境や、現在のおかれている環境、経験など様々な要素が重なって
      全く別の感想を生むものであると改めて感じました。

       またローマには素晴らしい建造物や遺跡がたくさんあるにも関わらず、それ以外の街のありとあらゆるものには
      落書きがかかれていました。個人的にはとても残念です。

      落書きを含めてそれが今のローマの素晴らしさなのでしょうか?

       でも私は映画「ローマの休日」にみるようなオードリーが歩いていた美しい素敵なローマが、大好きです。

       個々人が持つ審美観、、

       皆さんはどんな審美観をもっていますか?

       

      ESAO in Glasgow 本物を知る

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        優れたもの良いものを見続けることが、審美眼の育成につながります。

        たとえば、炎症のない正常歯肉と炎症のある歯肉。
        炎症のない歯肉を正確に把握しているからこそ、わずかな歯肉の炎症にも気づけます。

        さまざまな形態の、良好な天然歯をよく観察しているからこそ、修復物のよりよい形造りに注意を払えます。

        そして、同じ患者さんの口腔内をずっとみているからこそ、その患者さんのわずかな変化に気づくことができるのです。
        適切な治療や調整、早急な問題点への対応もできます。
        患者さんが同じ医院に通い続ける意味が、実はここにあります。


         先日、昨年も出席した欧州人工臓器学会(ESAO)に出席しました。
        院長は京都大学再生医科学研究所の講師、私は研究生という立場で出席しています。
        今年も学会発表を通じて、様々な刺激を受けつつ、めったに地を踏むことのないスコットランド・グラスゴーの魅力を少し。

        ケルビングローブ美術館・博物館(Kelvingrove Art Gallery and Museum)はご存じですか?
        モネやダリ、ピカソ、ゴッホ、レンブラント等々印象派のたくさんの絵画からマッキントッシュ等の美術工芸品に至るまで様々なものを、吐息のかかる距離で目の当たりにできるので、一見の価値がある博物館です。(二日続けて行ってしまいましたが・・・)
        大英博物館のように人混みもなく、絵画や美術工芸品や恐竜の化石の前に好きなだけいることができ、日本とは全く違った、「本物」との濃密な時間を過ごせました。

        「本物」に間近でふれあえる機会は極めて貴重です。「本物を見続ければ偽物がすぐわかるようになる。」と、ある古美術商の方が呟いておられました。
        優れたものをどれだけ吸収できたか、それは私の問題だから謎です。(笑)

         もしスコットランドに行かれるなら絶対におすすめです。是非ケルビングローブへ。

         
         kelvingrove

        シンポジウム「人口減少社会における歯科医院の成長戦略」にて講演しました

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           東京品川で行われた歯科業界向けシンポジウムにて、当医院の金子副院長が講演を行いました。
          主催会社の社長やコーチングコンサルタント等計4名での集中セミナーでした。

          テーマは、少子高齢化が叫ばれる日本で、「増え続けた歯科医院がどう生き残りを図るか?」です。患者さんとのコミュニケーション方法から、歯科向けマーケティングの心構えに至るまで、それぞれの立場からの話がありました。

          その会を聞いての感想ですが、歯科医院の、これからの時代に求められる診療サービスは何なのか?それはやはり歯科医療の原点にかえり、正しい歯科医療を少しでも実践してゆくことが最も大切だ、と言う当たり前の結論になってしまいました。

          要は、どう生き残るかよりも「何が大切で、それが患者さんから支持されるのか」
          歯科治療を受ける立場から考えてみることが重要だと実感しました。

          歯科診療は口の中の問題を治すことだけが重要でしょうか?

          患者さんの生活を「口腔」という器官を通して、よりよく向上させてあげられること。それが、私達歯科の仕事だと思っています。

          「どの歯を治すのか?」ではなく「どんな生活を送りたいのか?」を考えて患者さんの治療ができているか?
          歯科技術を一生磨き続け、実践できる自分であり続けていられるのか?
          常に問い続けてゆきたいですね。

          生体を相手にする仕事ですから、課題がなくなることはありません。
          『人口の減少が本当に真の問題なのか?』
          わたしたち歯科医院として、やるべきことが見えてきた気がします。






          国際学会「ESAO:ヨーロッパ人工臓器学会」に参加しました

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            先月、ドイツの国際学会に参加してきました。

            「European Society for Artificial Organs
            ヨーロッパ人工臓器学会」という国際学会があります。

            学会テーマは
            from replacement to regeneration – from science to clinic」

            いま巷を騒がせていますが、「再生医療」をいかに臨床の現場へ活かせるかを考える会です。

            今回は、ドイツのロストックで5日間開催され、次回はイギリスグラスゴーで開催が予定されています。

            世界各国、各方面から多くの研究者が集まり、当院の院長と副院長も、京都大学の研究者として参加・発表しています。

            発表テーマをそれぞれ記します。

            ・北山茂野歯科医院 院長

            「人工神経管を用いた下顎神経再生」

            ・金子副院長

            「The experiment  of bone regeneration in the canine frontal sinus」

            イヌの前頭洞での骨再生実験



            骨再生、歯肉再生、神経再生は、歯科領域において大変に重要なテーマです。


            骨再生や歯肉再生が容易に出来るようになれば、歯科治療は変わります。

            ・インプラント治療や審美治療でうける患者さんの負担軽減

            ・骨が少ない患者さんの治療時間短縮

            骨が非常に少ない場合、インプラント治療を受け、最終的なかぶせものが装着されるまでに非常に時間がかかります。骨再生が自在に出来ればは、最終補綴物までの装着時間が短くてすむと考えられます。

            歯周病で骨がなくなって歯が動いている場合でも、骨が簡単に再生できるようになると失う歯も減らすことができます。

            京都大学再生研からips研究所長になられた山中先生がノーベル賞を受賞されました。


             生体を相手にする仕事や研究には様々な変化がついてまわりますが、
            日常臨床に速やかに反映できる研究をもっと頑張って頂きたい。と周りで応援するものは声を大にします。

            ドイツの学会お疲れ様でした。

            再生治療:金丸先生講演その2『3つの大切な柱』

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               私達が毎日行っている歯周治療。
              これについて、当然知っておいて欲しいことがあります。

               『あなたはなぜ歯周治療を行っていますか?』
              質問をかえると歯周治療の目的はなんでしょう?

               それは口腔内の細菌叢の改善を行い、歯の保存、ひいては歯槽骨の保存を行うことにあります。

              再生医療の3つの大切な柱
              『細胞』・『足場』・『調節因子』

              これらをいかに良好な再生環境のもとに配置して、組織再生を行うかをデザインする重要性について、金丸先生はお話しになっていました。
              そして世界の最前線の再生医学研究をスライドやビデオで教えてくださいました。

              とそこで私が思うこと・・・

              歯科衛生士として3つの大切な柱
              「技術」・「知識」・「伝達」

              私はこの3つの柱があって歯周治療が成功出来ると考えます。
              なおかつこの3つの柱がどれがかけていても歯周治療はなしえることが出来ない。
              技術と知識は皆さんは何となくわかるかもしれません。
              歯周治療を行う技術と知識があっても、歯周治療の必要性や成果を患者さんにしっかり伝達出来ないと歯周治療は成功しません。
              あるいは、再評価の状態をしっかりドクターに伝える力がないと問題点が見過ごされてしまいます。

               バランスが大切。
              再生医学も1つの柱無くしては成功しません。
              歯周治療も1つの柱なくしては成功しません。

               もう一度振り返りたい、あなたの柱はしっかりしてる?

              再生治療:金丸先生講演その1『再び生まれる…再生』

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                   最近、よくニュースで目にする『再生』あるいは『IPS細胞』の文字。
                しかし、一歩つっこまれると、
                詳しいことは、なんだかよくわからない…なんて方も多いのでは??


                今週末、『頭頸部領域の再生医療』について勉強をしてきました。
                これから数回にわたってお話して行きたいと思います。


                 北山茂野歯科医院では年に何回か、『北山臨床研究会主催、不定期講演会』と称して講演会を開催しております。
                今週末はまさしく『再生医療』がテーマの講演会でした。
                通常、参加人数の制限はしないのですが、
                今回は、講師の先生の貴重なお話をじっくり拝聴したいと
                少人数の参加にさせていただきました。

                 毎回楽しみにお待ちいただいている
                先生方、衛生士さんごめんなさい。。


                *************

                 今回お招きした講師は、再生医療の最前線で活躍されている、 金丸眞一 先生です。

                金丸先生は、京都大学の耳鼻咽喉科の臨床教授であると同時に、
                北野病院、神戸医療センター病院で鼓膜再生や乳突蜂巣の再生など、耳鼻科領域の再生医学を世界トップレベルで診療、研究なさってます。

                当院の院長、副院長は、京都大学の再生医科学研究所で研究を行っていますが、
                その二人が、大変お世話になっており、かつ尊敬されている先生の1人です。

                 さて、金丸先生の講演から。

                ■再生医療とは?

                再生医療の基本概念は『失われた組織や臓器の代替物をつくる』ということ。
                組織再建、人工臓器、臓器移植などがありますが、
                簡単にいうと元と同じものをつくることにあります。
                身近なところでいうと、コンタクトレンズもそうなんですね。

                ■再生医療をつくる3要素
                 臓器再生に必要なことを金丸先生は作物に例え分かり易くお話してくれました。

                作物を作るために必要なもの
                     種・土地
                ・肥料  この3つは欠かせなく水や日光、良好な環境があってはじめて作物が作られます。

                臓器再生に必要なもの
                     細胞(種)・足場(土地)・調節因子(肥料)

                この3つがあってはじめて臓器が再生されます。
                 細胞(種)には幹細胞が有ります。
                幹細胞は自己複製能をもち、2種以上の細胞再性能をもつものと定義されます。つまり臓器や組織を作る元となり得る細胞です。
                またこれらの幹細胞の頂点に立つのがES細胞やEG細胞です。
                IPS細胞ももちろん含まれます。
                IPS細胞がなぜ注目されるのかというと、我々の体にある、通常細胞に必要な遺伝子を導入してES細胞のような分化能をもたせることができ、倫理上の問題をクリアできるということです。

                細胞?足場?調節因子?難しい言葉のようですが、実は歯科の歯槽骨造成法もこの理論によって成り立っているのです。
                私達歯科衛生士が行うキュレタージ(SRP)も再生の場をつくるための環境造りと言えます。


                まずこの概念はきほんのキしっかり覚えておきましょうね。

                長期症例におけるDHワーク&テクニック セミナー(歯科衛生士 佐野明美)

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                  2010年6月19日、北山茂野歯科医院の歯科衛生士 佐野明美が長期症例からみた心構えとテクニックを講演しまた。詳しくは『長期症例におけるDHワーク&テクニック セミナー』でご覧ください。

                  金子副院長の講演「歯科衛生士のためのプロフェッショナルメインテナンス」

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                    2010年10月10日、北山医院の副院長 金子真弓がワールドデンタルショーで講演しました。
                    詳しくは、『歯科衛生士ー将来を見据えたプロフェッショナルメインテナンス』をご覧ください。


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