キュレッタージについて 道具でわかる仕事の視野

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    「キュレッタージ」

     スケーリング、ルートプレーニングの総称です。
    理想的な歯科治療を進めるための基礎づくりであり、歯科衛生士の重要な仕事のひとつです。

     ところで、キュレッタージの道具であるキュレット。この小さな歯科道具が、それを使う歯科衛生士が、どんな視野を持ち、何を重んじて仕事をしているか、そんなことを、本人よりも雄弁に語るのをご存じでしょうか。

     見るべきポイントはごくシンプルです。キュレットの刃が"常に切れる状態になっているか否か"。

     切れないキュレットを使用すると、余計な力をかけてしまい、セメント質を余分に削り取ることにつながる可能性もあります。つまり露出歯根面の汚染されているとされる30μmセメント質の厚みを選択的に除去出来ません。
    歯根面の汚染を除去できないと、歯周治療を成功に導くことは出来ません。

     「私は患者さんの口腔内を良い状態に改善し、治療の成功を左右する重要な仕事をしている。」
    そう考えるならば、切れないキュレットを用いること自体がありえません。

     道具、つまりキュレットは、私達の仕事を映す鏡と言えるのです。
    歯周治療の目的を『私の仕事』と思っている歯科衛生士は、道具の状態がいやでも気になるものです。
     

    生物学的幅径 数値を超えて

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       以前、生物学的幅径に触れました。

       私達歯科衛生士がふだん行うスケーリングも、口腔内の構造が頭に入っていることが重要であり、医院の診療レベル向上に欠かせないという話でした。

      「患者さんの歯肉の炎症がなかなかとれない...」
      「それほど深くない歯周ポケットが排膿している...」

       これらは、歯冠修復物が生物学的幅径を侵襲していてもみられる臨床所見です。
      こういうケースの治療は、歯周外科をドクターに依頼し、生物学的幅径を改善した後、修復物をやり変えてもらわなければなりません。
      いくら歯科衛生士がキュレッタージを繰り返しても、患者さんがブラッシングを頑張っても、改善できません。

      わたしたちが生物学的幅径を知っていることの重要性はここにあります。

      1本、1本の歯のことだけではなく、患者さんの口腔内の安定と健康を取り戻す心構えを、
      何よりも考えておきたいものです。
      それは、まずは正確な知識から。

      今回は生物学的幅径に関してもう少しお話したいと思います。

      ・あくまでも基準である。
      歯間部歯肉溝の正常な深さは3mm未満、唇、頰側、及び舌側歯肉溝の深さは1〜 2mm前後 。
      ここで重要なのは、数値だけを見て厳格な治療を行うべきではないということです。数字に振り回されないこと!!!
      理想的な治療を行うには、現状把握、正しい評価が何よりも重要ですね。

      わたしたちは、ふだんの生活でも常に判断をし評価を行っています。
      この品物は安いのか?品質がよいのか?…。そのとき、欠かせないのが「目安」ですよね?照らし合わせる尺度があるから、安心して判断できる。

      ・数値を知るだけで終わりにしない。
      炎症のない歯肉を理解してはじめて、炎症のある歯肉がみわけられます。
      良いものをしっかり見なければ悪いものがわからない。骨董の世界と同じです。
      正常歯周組織を理解してはじめて、プロービングを行い歯周組織の破壊度を知ることが出来るのです。


       





      国際学会「ESAO:ヨーロッパ人工臓器学会」に参加しました

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        先月、ドイツの国際学会に参加してきました。

        「European Society for Artificial Organs
        ヨーロッパ人工臓器学会」という国際学会があります。

        学会テーマは
        from replacement to regeneration – from science to clinic」

        いま巷を騒がせていますが、「再生医療」をいかに臨床の現場へ活かせるかを考える会です。

        今回は、ドイツのロストックで5日間開催され、次回はイギリスグラスゴーで開催が予定されています。

        世界各国、各方面から多くの研究者が集まり、当院の院長と副院長も、京都大学の研究者として参加・発表しています。

        発表テーマをそれぞれ記します。

        ・北山茂野歯科医院 院長

        「人工神経管を用いた下顎神経再生」

        ・金子副院長

        「The experiment  of bone regeneration in the canine frontal sinus」

        イヌの前頭洞での骨再生実験



        骨再生、歯肉再生、神経再生は、歯科領域において大変に重要なテーマです。


        骨再生や歯肉再生が容易に出来るようになれば、歯科治療は変わります。

        ・インプラント治療や審美治療でうける患者さんの負担軽減

        ・骨が少ない患者さんの治療時間短縮

        骨が非常に少ない場合、インプラント治療を受け、最終的なかぶせものが装着されるまでに非常に時間がかかります。骨再生が自在に出来ればは、最終補綴物までの装着時間が短くてすむと考えられます。

        歯周病で骨がなくなって歯が動いている場合でも、骨が簡単に再生できるようになると失う歯も減らすことができます。

        京都大学再生研からips研究所長になられた山中先生がノーベル賞を受賞されました。


         生体を相手にする仕事や研究には様々な変化がついてまわりますが、
        日常臨床に速やかに反映できる研究をもっと頑張って頂きたい。と周りで応援するものは声を大にします。

        ドイツの学会お疲れ様でした。

        そこにあるべき姿を再現する〜インプラント(その3)

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           『インプラントは何でできているのですか?』
           『インプラントはどうやって顎の骨につくのですか?』
           最近の患者さんからの質問は以前とは少し違ってきています。
          それだけインプラント治療が世間に浸透し、患者さんも様々な情報を得てより深くインプラント治療について知りたいと思っているのではないでしょうか?

           インプラントといっても、現在様々な種類のインプラントが世界中で販売されています。
          インプラントの素材や表面性状、インプラントの形状、インプラントの直径、インプラント体と上部構造の接続形態などなど・・・

           当院では患者さんの欠損部位の顎の骨の状態や最終修復物の状態を考慮し患者さんに応じたインプラントを選択しています。
           
           さらにインプラントを長く保たせるために必要な要素も、エビデンスが確立されています。
          当院では、インプラントをただ埋入するだけの処置にとどまることは無く、長期メインテナンス症例から得たエビデンスをもとに、軟組織処置や、確実な骨造成などを行っています。

           30年前はインプラントメーカーは世界的にも数社でしたが、今では数え切れない数になっています。選択の幅が格段に広がっているのです。しかし、当院では、必ず学会誌や歯科雑誌に論文が多数掲載され、20年以上の経過症例を持つインプラントしか使いません。
           
           なぜその材料を使うのか、どうしてそのケアが必要なのか、確信をもって説明出来なければなりません。

          基本的なことをしっかり勉強して、ぶれない軸を持つことがますます求められていると思います。






          そこにあるべき姿を再現する〜インプラント(その2)

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              天然歯とインプラントを取り巻く環境には、圧倒的な違いがあります。それはなんでしょう?

             
             天然歯は結合組織性付着、及び上皮性付着を持ちます。
            細菌は歯肉溝から侵入し、上皮性付着を破壊しさらに、結合組織性付着を壊そうとします。
            いいかえるとこれら二つの付着によって、身体は細菌の侵入に抵抗しようとします。

             インプラントには大事な細菌に抵抗する、
            結合組織性の付着がありません。
            つまり細菌の侵入に対して弱いのです。

             いつも当ブログで触れていることですが、歯科衛生士としてメインテナンスを行う際、どうしても手技業務に目がいきがちです。もちろん、大切なことに変わりありません。

            しかし、日々の診療で、口腔内にわずかな差異を見つけ出す視点、『変化』を捉える目の重要性こそが、歯科衛生士、歯科医のレベルを大きく左右します。


            修復物を製作するうえで大切なことは、そこにあるべき姿を再現すること...

            愛歯校長の桑田正博先生から教えられた言葉です。


             一見言葉はやさしいのですが、何もない場所に"あるべき姿"を見る、という大変難易度の高いことを指摘されています。この視線、視点こそがインプラントのメインテナンスに欠かせない 「プロフェッショナルな目」であり、尊さなのです。長年の学習と臨床キャリアを重ねないと、なかなか身につくものではありません。


             当院での院長のインプラント治療の実績は30年以上です。しかし、この実績は、歯科医師と歯科衛生士、インプラント治療を受けた患者さんの3者によって重ねられてきたものです。

            ☆いかに患者さんがメインテナンスしやすい歯周環境につくりあげているか?

            ☆インプラントと天然歯の歯周環境の違いを理解し、メインテナンスの手法を熟知しているか?

            ☆患者さんがいかに定期的に医院にメインテナンスで来院していただけるか?


            先日のブログでも触れましたが、患者さんに聞かれることが多い

            『インプラントはどのくらいもちますか?』

            という質問。さて、どう答えましょうか?






            生体は、明日どうなるかは誰にもわかりません。これが私たちの解答です。

             人工のものを口腔内で長く持たせるには、医院サイドの努力だけではなく患者さんが医院にメインテナンスで通っていただくことの重要性を忘れてはいけません。



            そこにあるべき姿を再現する〜インプラント

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               歯科衛生士として仕事をしていれば、患者さんにこう聞かれることはありませんか?

              『インプラントはどのくらいもちますか?』

              高額な治療費と長い通院期間をかけるわけです。まっとうな疑問です。正確な答えを出してあげたい。そう思うでしょう。

              しかし、キャリアを積めば積むほど、この質問には、簡単に答えられないことがわかってきます。毎日機能する口腔内のインプラントの寿命は、環境により大きく変化するからです。


               当院の歯科衛生士や、ドクターはこう答えています。


              インプラントは人工物です。人工物で永遠に変わらないものは、残念ながらこの世にありません。また生体はもっと変化します。明日の自分がどんな状態か?正確に答えられる人はまずいません。しかし、出来るだけ長持ちさせることは出来ます。

              それは、患者さんと当医院が一緒になって、「メインテナンス」を行う。

              一緒に長持ちさせる努力です。

              わたしたちは臨床は日々勉強と捉え、『長持ちのためのメインテナンス」に取り組んでいるのです。




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